製品・技術

製造技術

大南光学は創業以来、一貫して光学ガラスのプレス成形品の製造を続けてまいりました。永年培ってきた熱加工の技術により、高い品質の物作りを可能にしています。

プレス成形

プレス成形は製品の形状を決定する最も重要な製造工程です。
この工程は電気炉(プレス炉)で加熱軟化させた光学ガラスを、金型に投入し、製品の形状に成形する工程です。

プレス炉

光学ガラスを加熱軟化させるプレス炉は、いくつものポイントで温度制御し、ガラスの軟化状態をコントロールしております。

光学ガラスは硝種によって、軟化する温度が全て異なります。また、プレス炉内を通過する速度やガラスの形状でも軟化状態が左右される為、この工程では長年蓄積したデータと共に、作業者の経験が要求されます。

プレス成形1
プレス成形2

軟化したガラスは、金型に投入し、プレス機で成形します。 金型もプレス炉と同様に精密な温度管理が必要であり、一定の温度を保持するよう制御しながら成形します。

また熟練した技能が要求される成形方法も確立し、機械性能だけでは成し得ないプレス成形を卓越した作業者により可能にしております。

徐冷炉

成形されたガラス(プレス品)は、急冷による破損を防ぐ為、徐冷炉に投入し、時間をかけながら常温になるまで冷却します。

このプレス成形工程は製品の品質に重要な影響を及ぼす工程で、高度な温度制御と作業者の経験・技能の両面が要求される作業工程です。

アニール処理

アニール処理とは、熱加工によって生じた応力(歪み)を除去し、屈折率を規定値に合わせる事を目的とした熱処理です。

アニール炉
アニール炉

プレス成形品を電気炉(アニール炉)に入れ、アニール炉内を加熱します。上昇温度や降下温度、保持温度など、設定した温度スケジュール通りに制御する事により、歪の除去と屈折率の調整を同時に行います。

硝種により設定温度やスケジュールが異なり、また同じ硝種でも製造履歴や使用目的、形状によって異なった設定が必要となります。また用途によって非常に高精度な屈折率公差を要求される製品もあり、精密な温度制御の他、蓄積したデータの活用が必要となる工程です。炉内の温度状態は常に監視されており、温度履歴はデータ化して以降の設定に活用されていきます。

アニール処理前後

アニール処理が完了したプレス品は、外観上の変化はありませんが、内部歪が除去され、規定内の光学性能(屈折率・分散値)を満足した製品となります。

屈折率の測定

アニール処理完了後に測定する屈折率の測定値は、「光学硝子性能表」として発行する他、設定した温度スケジュールと共にデータ化され、スケジュールの検証や以降の設定に活用します。

加工内容

光学ガラスの屈折率調整及び歪除去、他各種ガラス歪除去

屈折率公差

通常公差 nd: ±50×10-5
特別なご要望については nd: ±30×10-5またはそれ以下での公差にも応じられますのでご相談ください。

測定波長

通常測定 nd、nC、nF
ご要望に応じて、通常測定の追加としてng、ne、及びnC’、nF’の測定を追加します。

金型設計・製作

金型設計

要求される製品形状に基づき、プレス成形金型を設計します。

ガラスは成形時に加熱する事により膨張し、冷却する事により収縮します。膨張・収縮の割合は、硝種によりそれぞれ異なります。また成形する形状や成形条件によっても変わります。その為、金型設計ではガラスの膨張・収縮を含めた諸条件を考慮した設計が必要となります。

金型新規製作した金型で成形し、得られた加工データは、自社開発の専用ソフトにて、硝種・形状を考慮した収縮情報としてデータ化されます。

データ化された情報は以降の金型設計時の設計データとして活用し、金型設計の最適化を実現しています。

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